2011-05-30
ドイツの原子力発電所のニュース
ドイツが、国内にある全ての原子力発電所を2022年までに閉鎖すると発表しました。3月の大震災による津波の影響で福島が被った惨事。これを受け、ドイツ国内でも原子力反対のデモが広がっていたようです。
ドイツは既に、再生可能なグリーンエネルギーに莫大なお金を投資していると言われており、今後は石炭や風力を利用したエネルギーにシフトしていくと見られています。
皮肉にもドイツは、原子力大国であるフランス、そして新しい原子力発電所を2カ所建設すると発表したポーランドに隣接しています。また、原子力に変わる代替策を確保していないにも関わらず、発電所閉鎖の計画を発表したことに不満の声も上がっています。しかしながら、国民の声を汲み取り、住民の安全性を考慮するドイツ政府の決断力には、現在の日本の状況と比べずにはいられません。
今、わたしたち日本が直面している福島の問題と合わせて、今後の代替エネルギーの開発にも注目したいニュースだと思います。
2011-05-29
彌光庵 - 京都
京都の旅、最終日。彌光庵で夜ご飯を食べました。
お店にたどりつくまでに迷うこと数時間…。探し当てた門からさらに細い隙間を通り、やっと入口へ到着しました。
彌光庵は精進料理のお店、完全なベジタリアンです。素材にも無添加食材・無(低)農薬野菜が使われており、マクロビオティックにも通じるものがあります。
みやこごぜん(ベジタリアンディナーセット)。胚芽米+けんちん汁に4品のおかずがついて1000円ととてもお得。二人でオーダーすると、4品のおかずの内容をそれぞれ変えてくれたのも嬉しいサービスでした。
至ってシンプルなメニュー。切干し大根の煮付け、野菜の煮しめ、もやしサラダ、めかぶ、ソイミートの唐揚げやおからの春巻きなど。温かい家庭料理の味わいです。
お店の中はまるで秘密基地のよう。店内の壁や天井には、ポスターやステッカーが隙間なく貼ってありました。よく見るとそれらは全て「戦争反対」の怒りにも似た力強いメッセージ。平和推進のためのイベントやライブも行われているようでした。
HPによると、オーナーの方は浄土真宗の僧(女性)で、お寺でアルバイトもされていたそう。仏教思想の不殺生のメニューはそこから来ているようです。
狭い店内は、カウンターテーブルのみ。小さいキッチンで、揚げ物から煮物までてきぱきと料理されるオーナーの方の姿が印象的でした。ソフトドリンクやアルコールなど、ドリンクも豊富でした。
まるで一般家庭のようなたたずまい。ドアを開けると俗世間とは違った雰囲気が味わえるかもしれません…。
2011-05-27
梅雨入り
九州から関東地方にかけて梅雨入りしました。東北地方も6月中旬には梅雨入りするとのこと。例年より10日〜12日も早いそうです。
これから7月下旬の梅雨明けまでは、雨の日々が続く日本です。
2011-05-25
天龍寺 篩月 - 京都
京都の旅2日目。嵐山、天龍寺の篩月(しげつ)でお昼ご飯を食べました。ここは天龍寺の庭園内にある、精進料理のお店です。
当日の朝でしたが予約をし、"雪"(3,000円)をオーダーしました。一番シンプルなコース、それでも一汁五菜ととても豪華。こんにゃくや竹の子の煮しめたもの、キュウリのごま和え、車麩など、寄をてらうことのない、基本的な精進料理の数々が並びます。シンプルながら心のこもったお寺の料理。
(手前)飛竜頭。葛のあんかけがかかっています。(奥)水物のフルーツ。
畳の広間で一緒にいただきます。
外を眺めると嵐山。大きな雲が山を覆い、何とも神秘的で情緒のある風景でした。
2011-05-24
京都 祇園散策
格子のお茶屋が続く石畳の路。円山公園を散歩したあと、この情緒ある花街にたどりつきました。
このあたりは伝統建築物保存地区に指定されているそう。細くて狭いカーブが続く袋小路のような一角は、まるで迷路のようでもありました。
通りには老舗の料亭らしき苗字だけの看板が並び、秘密めいた雰囲気を醸し出していました。
ねねの道を通り、高台寺へと続く階段。
祇園散策最後は八坂神社へ到着。
京都の格調ある文化と風雅が感じられる街並み、祇園。今回はこの地図のCを散策しましたが、他にもさまざまなみどころがあるようです。
2011-05-22
阿じろ - 京都
先日行った、京都の旅の続き。
妙心寺門前にある、阿じろでランチをしました。
阿じろは昭和37年創業、妙心寺御用達の精進料理のお店です。伝統的な精進料理の基本を忠実に守りつつ、華やかな会席風のお料理が気軽にいただける場所。
竹の子、わらび、木の芽など、春がたっぷりと感じられるメニュー。
5つの味覚、5つの調理法、5つの色合いが組み合わされた「五味・五法・五色」により、"精進料理の心"がしっかりと味わえます。
丁寧に取られただしが素材ひとつひとつに染みわたっています。だしには、上質の昆布やどんこ椎茸、かんぴょう、煎り大豆が使われているそう。淡味の中にも深い味わいがあり、思わずため息…。
竹の子とごぼうに湯葉を巻いて照り焼きにしてあったり、素材はシンプルながらとても創作的。美しいプレゼンテーションに、箸をつけるのがもったいないほどでした。
(左)湯斗(ゆとう)。お釜に残ったご飯のおこげにお湯を入れたもの。おこげも食べられます。
(右)ひじきがのったご飯。京都の白みそに、よもぎの生麩 ー 白と緑のコントラストが美しい味噌汁。
ふすまには禅の修行を表す十牛図が描かれていました。
阿じろ 秋のメニューはこちら
2011-05-20
アーユルベーダのこと
世の中にはいろいろな健康法や食事法があふれています。考え方や定義もさまざまで、それぞれ一長一短あると思います。個人的に言えば、ひとつの方法だけに固執するのではなく、複数のいろいろな方法から全体論的に健康を考慮したいと思っています。
その中でもアーユルベーダはホリスティックな健康法の代表格と言っても良いかもしれません。もはや単なる健康法を超えた生活法の域になりますが…。
アーユルベーダとは、サンスクリット語で、"長く生きるための完全なる知恵"という意味。5000年もの伝統と歴史をもつ、インドの古い伝承医学です。生活の知恵、生命の科学、哲学の概念を取り込んだ奥深い定義は、わたしたちの体や精神のみならず、とりまく環境全てをカバーしています。アーユルベーダは、現在世界各国で、西洋医学の代替医療として使われています。
ドーシャについて
アーユルヴェーダによると、私たちひとりひとりは3つの特性=ドーシャを持っていると言われています。 たいていの人は2つ以上の要素を持っており、どのドーシャが優勢になっているかで体質や気質にも影響しています。
| 要素 | 痩せている(痩せ易く太りにくい)、軽い、乾燥、 便秘気味、あまり汗をかかない、忘れっぽい、 寒い季節が嫌い、疲れやすい |
| 火、水の 要素 | 中肉中背(痩せやすく、太りやすい)、熱い、鋭い、 下痢気味、汗かき、記憶力が良い、食欲旺盛、知性的、 怒りっぽい |
| 水、土の 要素 | ぽっちゃり(痩せにくく、太りやすい)、重い、遅い、 ゆっくりで単調な喋り方、記憶力がとても良い、汗かき、受身的、体力がある |
自分がどのドーシャかは、ネットで簡単に調べられるようです。
SUNDARIのホームページなど。
興味のある方はぜひ。血液型占いよりは当たっていると思います…。
アーユルベーダはインドのもの。とても暑い国だし、日本の気候とは違う。だから、日本人には当てはまらないのではないか ー 以前ふと思い、アーユルベーダクリニックでセラピストの方に質問したことがあります。そこでセラピストの方、
「インドは北はヒマラヤ山脈、南はビーチと、ひとつの国の中に四季があるような場所。そんなところで何千年も伝えられているのだから、どんな国の、どんな人にも当てはまります」
とても説得力のある言葉です。しかもインドは人口12億人を抱える国。千差万別、何世紀も受け継がれてきた、根拠ある生命の科学なのです。
アーユルベーダについては、他に詳しくて良いサイトがたくさんあります。
3つのドーシャと5つの要素の相関図もとても分かりやすいです。
2011-05-19
月森さんのマクロビ・ティーパーティ
月森紀子さん ー マクロビオティックの世界で知らない人はいない偉大なシェフ。クシガーデンや椿屋、woodmoonなどの人気店を経て、現在はフリーで活躍されています。数多くのレシピ本も出版されており、健康なだけではなく、もっと楽しく、美味しく取り入れられる玄米菜食を提案しているカリスマシェフです。
さて、そんな月森さんのマクロビティーパーティが、ご実家、島根県の邑南町で開催され、このたび参加することができました。この会は月1回定期的に開催されているそうで、家庭的な温かい雰囲気が漂う居心地の良いパーティでした。
(写真手前から時計回りに)よもぎのクレープ。中には白インゲン豆の餡が入っています。トウモロコシの裏ごしが入っている、舌触りのよいテリーヌ。きなこマフィン。ふんわりとしたきな粉風味の生地にリンゴがのっています。
豆乳プリン。香りよいバニラビーンズがふんだんに使われた贅沢なデザート。
メニューはもちろん全て動物性フリー。バターや卵、白砂糖も使われていません。
月森さんにかかると、野菜や素材が、まるでプラーナを得たみたいに生き生きしているのが感じられます。「野菜を切ってみてから何を作るか決める」と、以前月森さんが言われていたことを思い出しました。同じ野菜でも、季節によってそのみずみずしさ、甘さは違ってきます。その日の野菜の状態によって、スープの方が美味しいか、炒め物が美味しいかなどを感じ取るそう。そんな繊細な感性があってこそ引き出される素材のエネルギー。月森さんが作る全ての料理がこの上なく美味しいのも納得です。
日本料理店からスタートした素晴らしい調理技術はまさに職人そのもの。尽きることの無いクリエイティビティは、単なるシェフを超えたアーティスト。月森さんの料理にはいつも新鮮な驚きと感動があるのです。
島根県邑南町の田園風景。
2011-05-18
自然医食のすすめ - 森下敬一著
健康の原理とは食物と体の関わり合いであるということを、50年以上にも渡って研究し立証してきた、森下敬一博士による本。図書館で借りてきました。
食べたものが消化されるプロセスと血液の働きは密接なつながりがあること、病気が起こる要因と食生は深く結びついていることが、理論立てて説明されています。また、自然医食を理解する上でとても重要なポイントとなる、"腸(厳密には小腸)造血説"が、図や写真、フローチャートを用いて説明されており、とても理解し易いです。
質の良い血液が、健康な体を作ると言われます。逆に言うと、慢性病は血液の汚れによって生み出された炎症ということになります。食物は赤血球や体細胞を作る直接的な素材なので、食物の内容次第で健康状態が決まります。腸内の腐敗を防ぐことが、慢性予防のカギになるのです。
そこで腸内の腐敗を起こす食品とは何かー。
森下博士は、動物性蛋白、精白食品(白米や白パン、白砂糖)がその代表だと述べています。このあたりはマクロビオティックの理論とおおいに共通しています。森下博士も玄米菜食をすすめていますが、単なる自然食ではなく、自然医食が重要であるということを強調しています。
とても印象的だった点をいくつか抜粋してご紹介します。
1.現代の栄養学が間違った"バランス食"の見解を生み出している
- 食べる人の精神状態も違えば、噛む回数も違う。消化液の分泌具合も違えば、いろいろな消化液の活性度も人それぞれだし、時と場合によっても違う。栄養価は、その人の腸内細菌の性状による。つまり、受け入れ側の生理の状態が千差万別なのだから、同じ栄養効果が出るわけはない。
- 食品自体、同じ種類であっても、その生育条件によって、成分組成は大きく異なっているはずだ。実際、土壌の質によって、ビタミンCのほとんど含まれないほうれん草もあったりする。カロリー計算などは、全く無意味なのである。
2.西洋医学(現代医学)は二元論的発想である
発病の舞台であるわれわれの「体」というものを置き、それとは別の侵略的存在として、「病原体」というものを設置する。体と病原体といった二つの存在を並列的に並べて考えている。
3.自然療能説は一元論
生命現象の真髄は、形としてあらわしてみるとラセンになる。生命の世界は、「全体的」(総合的)に見るべきものであり、すべては「曲線的」「中間的」「可逆的」であることがわかる。これは、命がある限り、どんな病気も治る可能性をもっているということである。生命の世界は、すべて可逆性が支配しているから、しかるべき条件さえ整えれば、どちらの方向へも変わっていく。
現代医学;
- 外的な偶然性で発病
- 攻撃的治療法…化学薬剤、手術、放射線
- 分析的 局所的
- 西洋論的
- 二元的
- 病気は「悪」
- 固定観念
- 生まれつきの体質は変わらない。不治の病もある。
悪い病原菌が外から入ってきたために引き起こされたもの。抗生物質その他の化学薬剤を使い病原菌の死滅をはかる。
自然医学;
- 内的な必然性で発病
- 自然的治療法…食物、鍼、灸、指圧、マッサージ、漢方
- 総合的 全体的
- 東洋論的
- 一元的
- 病気は「善」
- 流動観念
- 生きている限り、すべての病気は治るチャンスがある。
自然治癒力「ホメオスターシス=体内環境の恒常性を保とうとする機能」が発動し、必要があって体熱を高めているととらえる。だから、無理矢理熱を下げるのはよくない、むしろ発熱現象をスムーズに経過させるように体を暖めたりして、自然治癒力がよりよく働くようにしむける。"攻撃"とは逆の、適応あるいは同化による穏やかな療法をとる。それだからこそ、病気を本当に治しきることができるし、本来の健康をよみがえらせることができるのである。
4.菜食者がおちいりやすい落とし穴
- 白米や白パンが主食になっていること -->雑穀入り玄米ご飯を主食にする。
- 発酵食品を十分にとっていないこと -->腸内細菌を理想状態にするのに不可欠。味噌、しょうゆ、納豆、漬け物、甘酒など発酵食品を積極的にとる。
- 塩分を敵視して、塩分不足になっていること -->海には50種類以上のミネラル、微量元素が含まれている。自然の塩分をしっかり補給する。
5.長寿の条件
- 心を安定に保つこと
- 十分に体を使うこと
- 正しい食事をすること
森下自然医学についてはこちら
2011-05-15
春の山菜
今、日本は春真っ盛り。気温も23度前後ととても過ごしやすい、爽やかな季節です。
ここでやっぱり旬のものを食べておかなくては!と思い、今日、山菜や竹の子を買ってきました。マクロビオティックや精進料理でも、春の苦みは、冬の間に溜まった体内の老廃物や脂肪を排出する作用があると言われています。春野菜をしっかり摂っておくと、これから来る暑い夏もスムーズに過ごせるそう。季節のリズムに合わせた生活をしていると、体の調子も整ってくるような気がします。
(写真手前から)
- 竹の子と昆布のきんぴら
- 竹の子の木の芽和え
- 空豆の塩ゆで
- ふきの煮物
2011-05-14
妙心寺と退蔵院 - 京都
京都に行ってきました。妙心寺は、臨済宗妙心寺派大本山の禅寺。京都に行くと必ず訪れています。
とても広い境内にはたくさんの重要文化財や史跡、美しい庭園、寺宝が保存されています。また、妙心寺には46の塔頭寺院があり、枯山水の石庭で有名な龍安寺もそのうちのひとつなのだそう。
ゴールデンウィーク後の平日のせいか人も少なく、静かでとてもピースフルな雰囲気でした。
どちらも重要文化財。以下妙心寺境内案内より引用。
(左)三門
慶長4年の建立。境内で唯一の朱塗りの建物です。 三門には空・無相・無作という、禅の境地による解脱の意味が託されています。
(右)浴室
江戸時代の建立です。明智風呂と呼ばれています。明智光秀の菩提を追善するために建立されました。
続いて塔頭のひとつ、退蔵院を散策しました。退蔵院は国宝、「瓢鮎図」を所有していることで有名です。
以下、退蔵院HPより引用。
(左)元信の庭
室町時代の画聖狩野元信による、枯山水庭園。
(右)水琴窟
「つくばい」の下深く底を穿った瓶を伏せ込み、手水に使われた水が瓶に反響して妙なる琴の音のよう に聞こえます。水琴の残響に耳を傾けた古人のわびさびの風情が味わえます。
余香苑
造園家中根金作氏の設計によるもので、昭和38年に着工し、3年の月日を費やして完成しました。正面から庭園を見渡すと、奥行きが生まれ、庭園が広く見えるように設計されています。
数年前、家族で妙心寺を訪れたときのこと。あまりにも広く美しい境内に圧倒され、父が思わずお寺のお坊さんに、「このお寺全てを見るのにどのくらいかかりますか?」と質問したことがあります。お坊さんは、禅問答のような印象的な答えをくれました。
「あなたがこのお寺で何をするかによって、何日でもかかります」
ただ境内を散策するだけではなく、写経をしたり座禅会に参加することもできます。また、ただ枯山水の庭の前に座り、眺めているだけでも1日では足りないかもしれません。時間の感覚は人によっても違います。
拝観案内のページには1時間コースから半日コースの順路も載っているので、これも参考になると思います。
2011-05-13
モダン・ライフ
自然の移ろいとともに、長い年月という時間がただあるがままに流れていく、2008年制作のフランス映画です。
あらすじ:
写真家集団“マグナム・フォト”所属、ピューリッツァ賞受賞のジャーナリスト、レイモン・ドゥパルドンが、南仏の美しくも厳しい自然とそこに生きる人々をフィルムに収めたドキュメンタリー。南仏・セヴェンヌ村。厳しい山間の土地、必要最小限の状況下で、様々な問題にぶつかりながらも生の自然と向き合い続ける農家たちの、真に人間的な“モダン・ライフ(現代の生活)”をカメラは捉えていく。
モダン・ライフ - goo 映画より
ー 若い夫婦、ミシェルとアマンディーヌは、都会暮らしに限界を感じ、農家の暮らしを夢見て羊牧場を買うことを決心します。一方、何世代も続く農場を持ち、自身も親を継いで農家で働くダニエルは、永遠に終わることのない厳しい農作業が耐えられないとこぼします。
どんな場所にいても、どんな生活をしていても、今のこの時から逃げ出すことはできません。わたしたちは、今目の前にある状況に不満を抱き、今以外に満足できる手段があると考えがちです。
「もし(将来)〜を持つことができたら、私は幸せになれる」
「もし(過去)〜だったら、私は幸せだったのに」
今という時をつねに、"長い人生における通過点"としてしか見ていないのです。わたしたちは、”今”にしか実在できないというのに…。
ー 農業ひとすじの人生を送ってきた兄弟、83歳のレイモンドと88歳のマルセル。春夏秋冬、厳しい自然の中で、羊飼いとして毎日羊を散歩に連れ出すのが日課でした。何十年という月日が経ち、高齢となった2人は、長年大切に育てて来た羊たちを手放さなければならなくなったのです。少しずつ増やしてきた自分たちの所有物を、本当は誰の手にも渡したくないと打ち明けます。
所有すればするほど、私たちはそれらが失われるのを恐れ、守ろうと必死になります。また所有物に自分自身のアイデンティティを見いだし、それが侵されると自分という人間が否定されたような気持ちになりがちです。
願望、思い、時間は恐怖を作り出します。どんな場所にいても、どんな生活をしていても、わたしたちの現代の生活=モダン・ライフは、それらを容易に生み出しているのかもしれません。
この映画に、クリシュナムルティや、禅のスピリットを感じました。
2011-05-12
メゾン ド クロワッサン - 広島
広島にある、マクロビオティックレストラン、メゾン ド クロワッサンでランチをしました。
お弁当スタイルで出てくるランチセットは週替わりのメニューのようです。手前から時計回りに、切干大根の中華風和え物、小松菜の生姜炒め、もちきびボール、マカロニサラダ。
(左)玄米、みそ汁、たくあん。マクロビオティックの定番です。圧力鍋で炊かれた玄米はモチモチとして美味しかった。
(右)ベジミートを使った、麻婆豆腐。
中央が吹き抜けになっている、開放感溢れる店内。洋風な建物の1階には、オーガニック食材を使ったビュッフェスタイルのレストラン(動物性あり・マクロビオティックではありません)、隣接するビルには、マクロビオティックの食材を扱う食品店がありました。
広島:マクロビオティック/ビーガンレストラン
自然食ほ - 広島
2011-05-10
平和記念公園 - 広島
博多から新幹線で、広島へ移動。平和記念公園を訪れました。
広島は、1945年、世界史上初めて核兵器が投下された都市として有名です。"負の遺産"として、ユネスコの世界遺産にも登録されている原爆ドームは、当時の状況そのままに、今もなお川沿いにたたずんでいます。
原子爆弾による放射能で全滅状態にあった66年前。この先何十年、草木も育たないだろうと言われたにもかかわらず、今では過去の悲惨な姿が想像できないほど、たくさんの緑が生い茂っていました。広島の街には、力強い生命力、パワーがみなぎっています。
戦後広島市の復興都市計画には、建築家の丹下健三氏が携わっています。整備された美しい街並み。
平和公園そばにかかる平和大橋はイサム・ノグチ氏のデザイン。
噴水後方にある広島平和記念資料館。館内には、放射能による被害、戦争の悲惨さと同時に平和を訴えるメッセージの展示があります。
ちなみに、この建築も丹下健三氏によるもの。ル・コルビジェに影響を受けたと言われる素晴らしいデザインは、モダニズム建築100選にも選ばれているそうです。
2011-05-09
太宰府天満宮 - 福岡
香港から福岡空港へ帰着したあと、せっかくなので観光して帰ろうということになり、福岡の太宰府天満宮を訪れました。
太宰府天満宮はいわずと知れた学問の神様、菅原道真公が祀られています。国内外から年間約650万人が訪れるそう。ゴールデンウィーク後のせいか震災の影響か、観光客は少なく静かでした。
受験祈願や学業祈願のほか、日本でもめずらしい航空安全御守もあるそう。
インド・バンガロールで訪れたナンディを思い出します。インドでは、牛はシヴァ神の乗り物だと言い伝えられているほど神聖な動物。ここ太宰府天満宮では、当時農耕のシンボル的存在だった牛が、神として祀られています。
2011-05-08
ただいま、ニッポン!
ただ今日本に帰国中。5月初旬にしてすでに30度以上あった蒸し暑い香港と比べて、日本は乾いた空気に太陽がぽかぽかと温かいです。この時期の日本は一年でもっとも過ごしやすく美しい季節だと思います。
ところで日本を離れている間に始まっていた、新しいこと。九州新幹線が3月12日に開業していたのでした。鹿児島から新大阪まで直通で行けるのです。今回香港から福岡経由で帰国したため、九州新幹線を少しだけ利用しました。(写真はのぞみですが)
3月の大震災後、今回が初の帰国となりましたが、東北ではまだ震災の傷跡が深く残っています。今回は長めの滞在になりそうなので、日本にいる間、国内旅行に行ったり買い物をしたりなどして、微力ながら日本の経済復興に協力したいと思ってます。
2011-05-07
O Green Cafe のオーガニッククッキー - 香港
上環(Sheung Wan)にあるお気に入りのお店、O Green Cafe。
ここのクッキーは、厳選されたオーガニックの材料が使われているホームメード。シェフ自慢の逸品でとても美味しいです。もちろん、保存料や人工甘味料などの添加物は入っていません。
種類はダークチョコレートや、ココナッツ、レーズン、クルミが入ったものなど各種あります。甘みは白砂糖の代わりにブラウンシュガー。甘過ぎないのが高ポイントです。また、ビーガンチョコレートクッキーもあり、これにはバターの代わりにオリーブオイルが使われています。
マクロビオティックだと、チョコレートやブラウンシュガーもNGという気持ちになるのですが、卵や牛乳などの動物性が入っていない分、アレルギーがある方にも安心だと思います。
O Green Cafeのこと。
ディナー編
ランチ編
2011-05-05
Kennedy Road (堅尼地道)- 灣仔(ワンチャイ)香港
「The Long and Winding Road…」ケネディロードを通るたびにビートルズの曲を思い出します。香港島、灣仔(ワンチャイ)地区にある長く曲がりくねったこの通りは、緑が多く、中心街から近いにもかかわらずとても静か。ここから少し登れば眺めのいいトレッキングコースもあります。また、このケネディーロードは香港公園にも通じています。
この通りのある灣仔は、歴史ある古い街。海側から山側、ダウンタウンから自然まで、いろいろな側面を持っている地域です。
灣仔のシンボル的存在、ホープウェルセンター。地上64階、高さ216m。レストラン、オフィスなどの入った複合施設です。ケネディーロードから入るとホープウェルセンターの17階につながります。
その他の灣仔の記事はこちら。
中国返還の花 - 紫荊花の像
灣仔(ワンチャイ)散策
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